『勉強はドラクエ』

今年度,校内で執筆を依頼されて書いた文章です。
アラフォー世代の方には懐かしい内容だと思います。

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理文クラス通信『勉強はドラクエ』
(2年3組担任 吉田大二郎)

私が子どもの頃,ファミコン全盛期でした。小学生のときに発売された家庭用ゲーム機『ファミリーコンピュータ』は,それまでゲームセンターでしか遊べなかったゲームが家庭で遊べるということもあり,当時の子ども達の心を奪い,数々の社会現象を起こしました。元々ゲーム好きだった私も例外ではなく,親にねだり念願のファミコンを買ってもらいました。『ゼビウス』や『スーパーマリオ』,『ファミリースタジアム』など,様々なジャンルのゲームを楽しんだものです。

2015.02.02-1
その中で特に時間を忘れてプレイしたのが中学生のときに発売された『ドラゴンクエスト(以下,「ドラクエ」)』でした。ドラクエとは,2014年現在で累計27作品・約6400万本を出荷した不朽の名作です。ゲームに詳しくない諸君のために簡単に解説をすると,ドラクエとは,主人公がモンスター(以下,「敵」)と戦うことによってレベルアップしていき,広大なマップ上を行き来しながら,最終的にはボスキャラと呼ばれる最強の敵を倒すことを目指すRPG(ロールプレイングゲーム)です。
ゲームスタート直後は,主人公は力もスピードもなく弱い敵にさえ勝利するのが難しいのですが,敵との戦いで経験値を積んでいくと“レベル”が上がり,強くなります。また,レベルが上がっていくと“魔法”を使うことが出来るようになり,より有利に戦いを進めることができるようになります。さらに,戦う度に貯まっていくゴールドを利用して新たなアイテムを購入することにより更に自分を強くしていくことができます。それらを続けていくと,より強い相手と戦うことができるようになるのです。強い敵を倒すと,今までよりも多くの経験値とゴールドが手に入り,さらに自分が強くなっていきます。そして充分に強くなった主人公は,最終目標であるボスキャラを打倒し,物語はエンディングを迎えます。

前置きが長くなりました。

このドラクエというゲーム,皆さんが日々苦しんでいる勉強とも似ているとは思いませんか。最初は学力が低く,出てくる問題はすべて難しく思えると思います。しかし,地道にそれらを解いていくことによって,経験値を得ることができ,少しずつ自分のレベルが上がっていくのです。レベルが上がれば,さらに難問を解くことができるようになり,最終的には【大学合格】というボスキャラを倒すことができるのです。
もちろん時には勉強から逃げ出したくなることがあるでしょう。ドラクエでもそういうときがあります。自分よりも強い敵が出てくると,打ちひしがれて戦意を喪失し,「にげる」コマンドを選ぶことによって,その敵から逃げてしまうこともあります。しかし,敵から逃げてばかりいては経験値やゴールドは稼ぐことができません。その結果,主人公はまったくレベルが上がらず,先に進むことができないのです。だから時に私たちはドラクエをプレイするとき“レベル上げ”と呼ばれることをあえてしていました。それは次の目的地を目指すのではなく,わざと同じ場所にとどまり敵と戦う機会を増やし,ひたすら戦いをして時間を過ごすのです。これは時間はかかりますが,それによっていつの間にか経験値とゴールドを稼ぐことができ,レベルを上げることができるのです。

西高生も“レベル上げ”が要るのではないですか。同じ問題を何度も何度も解くことによって,その問題を克服するとともに経験値を積んで自らのレベルを上げていくのです。レベルが上がれば,より難解な問題にも対峙することができ,さらに学力を向上することができるのです。学問に近道はなし。急がばまわれです。
皆さんの中に目の前の勉強という敵から逃げてばかりいる人はいませんか。逃げている間は力はつきません。もし,大学合格というボスキャラを倒したいのであれば,毎日着実に目の前を敵を倒していくことが肝要です。皆さんが最終的に立派な【勇者】として,このRPGを現役でクリアしていくことを期待しています。

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